ShopifyでECサイトをリニューアル構築するには?移行作業の必要手順や注意点を徹底解説

他社のカートシステムで構築・運用中のECサイトを、Shopifyでリニューアルしたい場合の必要手順や、ECカートシステムの乗り換えにまつわる注意点について解説していきます。

Shopify(ショッピファイ)とは?

Shopifyは、全世界で圧倒的な利用者数を誇る、世界最大のECプラットフォームです。
豊富なデザインテーマ・機能性の充実もさることながら、月額利用料が安く、そのコストパフォーマンスの高さから、日本国内における知名度も非常に高まっています。
ECサイト事業者の間では話題に上ることも多く、昨今で最も注目を集めているECカートシステムと言えます。

ECカートシステムの乗り換え・リニューアルを検討する背景

国内には、様々なASP型ECカートシステム・ECパッケージ等が存在しており、これらを利用して既にECサイトを運営している事業者さんが数多くいらっしゃいます。

他社ECカートシステム・ECパッケージの例(順不同)
BASE / STORES / EC-CUBE / たまごリピート / サブスクストア / リピートPLUS / ecforce / ecbeing / MakeShop / ショップサーブ / futureshop / 楽楽リピート / リピスト / カラーミーショップ / 侍カート / ebisumart / WooCommerce / Welcart

ECカートシステムごとに機能性や操作性が異なるため、商品・サービスの形態によっては向き不向きがあったり、運用中のサイトの規模感に応じて、最適なECカートシステムが変わることもあり得ます。
また、システムの仕様との兼ね合いで、「出来ること」「出来ないこと」にも大きな差があります。これによって望んだ運用が叶わなかったり、オプション利用や機能カスタマイズ等のコストが大きく掛かってくる場合もあるでしょう。

「望んだ機能がない」「ランニングコストを見直したい」「利用者が増えたのでスケールアップしたい」等、理由は様々かと思いますが、現状抱えている課題を解消するため、ECカートシステムの乗り換えを検討している事業者さんは多いです。中でも、

・ランニングコストが低い
・デザイン性の高いテーマを導入・カスタマイズできる
・アプリで機能を拡張できる

このような特徴を大きな魅力に感じて、Shopifyへのカートシステム移行・リニューアル構築を検討しているEC事業者さんが増えています。

ShopifyでECサイトをリニューアル構築する手順

リニューアルにあたっては、下記のような準備と作業が必要になります。

  1. Shopifyで新規ストアを開設する
  2. 現在のECカートシステムから、必要なデータ(商品・顧客・注文)をエクスポートする
  3. Shopifyにデータ(商品・顧客・注文)をインポートする
  4. Shopifyストアの開店準備をする(デザインテーマカスタマイズ、基本設定、アプリ導入等)

1. Shopifyで新規ストアを開設する

まずは、Shopifyの利用を開始するため、アカウント登録と新規ストアの開設を行います。
Shopifyでは、無料体験から気軽にオンラインストアの開設を試すことができるので、まだ本格的に運用を始める準備は整っていない、検討中のような方でも、とりあえず利用を初めてみることをお勧めします。

アカウント登録後、無料体験でストアを開設し、利用プランが決まり次第、管理画面から契約プランの変更を行えばOKです。
Shopifyでは、機能性や手数料が異なる様々なプランがありますので、現在運用中のECサイトの規模感に合ったプランを選定しましょう。
小・中規模のECサイトであれば、「ベーシックプラン」もしくは「スタンダードプラン」が安価でお勧めです。
基本的な機能性は大きく変わりませんが、上位プランほど決済手数料が安くなり、スタッフアカウントの作成可能数も増えるので、毎月想定される注文数・注文金額や、ECサイト運用担当のチーム規模などを参考に選定すると良いかと思います。

※ さらに規模の大きいストア向けに、通常プランよりもさらに機能性・拡張性に特化した「Shopify Plus」という最上位プランもあります。

2. 現在のECカートシステムから、必要なデータ(商品・顧客・注文)をエクスポートする

新しいストアを開設した後は、現在運用しているストアから、移行に必要なデータ(商品・顧客・注文)を全てエクスポートしておきます。(すべてのデータを漏れなく移行するには、こちらの作業を新規ストアでの運用開始のタイミングに合わせる必要がありますのでご注意ください。)
CSV形式 もしくは Excel 形式 でエクスポートできれば問題ありません。

エクスポートの方法は、現在ご利用のカートシステムの仕様によって異なりますので、ご不明の場合は、それぞれのサポートサイト等をご確認ください。ECカートシステムによっては、特定のデータのエクスポートができない可能性もあるため、これにも注意が必要です。自力で調べても解決しない、方法がわからない場合には、各カートシステムのサポートにお問い合わせください。

3. Shopifyにデータ(商品・顧客・注文)をインポートする

現在のストアからエクスポートしたデータを、Shopifyへの取り込み用の形式に変換してインポートする作業です。
管理画面から1つ1つ手作業で情報を入力して、商品登録や会員情報登録を行うことも出来ますが、CSV形式もしくはExcel形式でのインポートなら、数百〜数千件のデータでも大きな手間を掛けずに流し込むことができます。

商品データ及び顧客データのインポートは標準機能で行えますが、注文データの取り込みにはアプリを導入する必要があります。

【参考】商品のインポートおよびエクスポートを行う
【参考】お客様リストをインポートおよびエクスポートする

商品データと顧客データのインポートを、上記の標準機能を使って行う場合、下記のような手順が想定されます。

・Shopifyが提供しているCSVテンプレートをダウンロードする
・現在のカートシステムからエクスポートした各種データを、Shopifyのインポート用CSVテンプレートの形式に変換する(各項目のデータ形式・入力ルールに従って加工する)
・Shopifyの管理画面上で、所定の場所からCSVをインポートする

上手くいけばスルスルとデータの取り込みが完了し、あっという間にデータの一括登録が完了しますが、何らかの理由でうまく取り込みができないデータの場合、エラーメッセージなどを手掛かりにしながら、何度も取り込み作業をやり直す必要があります。

また、注文データの場合は、アプリを導入して作業する必要がありますが、大まかな手順としては上記とほとんど変わりません。
データのインポートを行うには、「Martrixify」というアプリを利用するのが一般的です。

Shopifyの標準機能には用意されていない、いろいろなデータのインポート・エクスポートや更新が行えるアプリで、無料でも利用できます。
とはいえ、無料プランでは10件ずつのデータの取り込みしかできないため、あくまでお試し版のような機能性になります。
数十件程度のデータ数の場合や、取り込みのテストなどには活用できますが、数百〜数千件のデータのインポートを行いたい場合は $20/月〜 の有料プランの契約をお勧めします。
最低限、取り込み作業を実施するリニューアル準備の際に必要なので、1〜2ヶ月の間に完了すると考えれば、さほど費用は掛からず良心的です。

インポート用のCSVデータを用意したら、Martrixifyの管理画面上で取り込み作業を行います。
ここでも、上手くいかない場合はデータを修正して入れ直す、を繰り返す必要がありますが、注文データまで無事インポート完了できたら、現在のECカートシステムからデータを移行する作業は終了です。最後は、Shopifyストア全体の開店準備を行います。

※ 場合によって、「顧客データや注文データは引き継がなくて良い」ということであれば、こちらの手順は省略できます。
※ 上記のようなデータのインポート作業によって引き継げる注文データは「注文履歴」のみとなり、「定期台帳」「定期マスタ」のような注文データ(次回以降の定期注文を生成できるデータ)は引き継げません。(2023年3月時点)

4. Shopifyストアの開店準備をする(デザインテーマカスタマイズ、基本設定、アプリ導入等)

最後に、Shopifyストアを開店するための各種設定と、デザインテーマの準備等を行います。
なお、「2」「3」で実施した必要なデータのインポート作業は、この作業と前後しても問題ありません。別の作業者で分担して進める場合もあると思うので、状況に応じて同時進行できます。

・種類豊富なデザインテーマから選択できる

Shopifyが注目されている理由はなんと言っても、デザイン性の高いテーマが豊富に取り揃えられていることです。
テーマストアでは、無料〜数万円で買い切りで利用できるものまで、ありとあらゆるデザインテイスト・機能性を備えたテーマからお好みのものを選んで購入、自分のストアにインストールできます。

海外で人気のあるECカートシステムならではの、スタイリッシュでモードなデザインが多く、UI・UXの点でも工夫された、お客様の目を惹く・使いやすいデザインテーマがたくさんあります。
既製のデザインテーマを適用できるメリットは、「リニューアルデザインを制作する時間・コストを節約できる」「開店準備にかかる時間を省略して、スピーディーに始動できる」といったところでしょうか。
時間やコストを最優先すると、細部までの作り込みやクオリティを妥協せざるを得ないケースは多いですが、Shopifyのテーマは他社サービスと比べても高品質なものが多く、そのコストパフォーマンスの高さが魅力的です。

また、いわゆる「ノーコード」らしいカスタマイズ方法で、コーディングやプログラミング等の知識がない方でも、簡単・直感的にECサイトのフロントデザインを調整することができます。
お好みのテーマを選択してインストールし、写真やテキストの入れ替え、カラーの変更やロゴの差し込みなどを行えば、あっという間にリニューアルストアが完成します。

・アプリ導入で機能を拡張可能

Shopifyのもう一つの大きな特徴は、「アプリ」を導入して、標準仕様にはない機能をどんどん拡張できることです。
Shopifyアプリは、無料〜有料(サブスクリプション契約)でたくさんの種類があります。アプリ導入で追加できる機能の例は下記のとおりです。

・定期購買
・商品レビュー機能
・配送指定 / 在庫連携
・分析機能
・メルマガ配信
・クーポン機能

上記はほんの一部の例なので、この他にも大小様々な機能を追加できます。
注意点としては1点、有料アプリのほとんどは月額数百円〜数千円程度のサブスクリプション型のため、アプリをたくさん導入すると、それだけ月額コストも高くなります。
Shopifyの基本利用料は、他社のECカートシステムと比べて格安であることが魅力の一つですが、アプリ導入によって機能拡張をしていくと、実際にかかるランニングコストは当初のイメージよりも高くなりがちです。
事前に標準機能では出来ないことや、導入したいアプリについて整理しておくと、今後のランニングコストの見通しが立てやすくなります。

以上が、ShopifyでECサイトをリニューアル構築するために必要な、大まかな手順です。
現在ECサイトを運用していて、これからリニューアルを検討中の方は、是非とも参考にしてみてください。

カラクロの「ECサイトデータ移行サービス」

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中でも、何かと大変な「データ移行」の作業の代行サービスについては、大変ご好評をいただいております。
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